居酒屋を繁盛させるナビ

居酒屋の開店&経営に関する情報を掲載!!

居酒屋開業の資金計画①投資計画

さて、前回は資金計画の概要と、その重要性やポイントについて触れてみました。
今回は前回記した4つの計画の中の「投資計画」にスポットを当てていきたいと思います。
お付き合いよろしくお願い致します。

投資計画を立てていこう

「投資計画」とは「店を開店させるまでに幾らかかるか」を算出することです。しかし、お店を作ると言っても一体幾らかかるのでしょう。
経験者はいざ知らず、未経験の方には居酒屋の開業にどれくらいのお金が必要か、想像する事はとても難しいでしょう。
その辺り、どうにか分からないものか・・・という事で。

概算の方法です。(本当に概算です、後で精算して下さい。)

作りたいとイメージしている居酒屋の規模(広さ)や業態スタイル、取得する物件の状態(スケルトンor居抜き)などで大きく変動しますが、
よく言われている目安として、「スケルトンの場合、開業に必要な資金は1坪当り50万円〜100万円程度」になります。

※スケルトン・・・物件が建物躯体のみで店舗の内装設備等がない状態 ※居抜き・・・前テナントが使用していた造作や設備等が残っている物件

例えば、20坪のお店を考えているのであれば、最低でも1,000万円以上〜無難に考えて2,000万円以上は必要になると思ってよいでしょう。
しかし、開業でギリギリではお話しにならないのでさらにプラスαの資金は必要になると思います。
前回も触れましたが、精度の低い計画で見切り発車したり、投資額を楽観的に低く見積ると、いざとなって失敗する大きな原因となります。

開業に必要な費用を知って、少し細かく計算してみよう

では、投資計画を本格的に作る為の説明に入りましょう。きちんと計画を練り、何度も見直しながら、必要な全ての費用を予算化する事が非常に重要になってきます。
まずは居酒屋の開業にどんな費用が必要なのか、またその考え方を、サンプルケースを使って説明してみましょう。

以下は、飲食店開業に必要な主な費用と概要です。


 

① 物件取得費(開発費)・・・物件を取得する際に必要な費用

② 店舗工事費・・・店舗の内外装や家具、厨房の機器や設備などに必要な費用

③ 開業諸経費・・・什器や備品、消耗品、事務用品、制服費など、開業までに細かく必要な費用(販促広告費も含む)

④ 運転資金・・・物件の前家賃、開業前の人件費、開業後に必要な運転資金


 

では上記4つの費用の考え方を、サンプルを基に考えてみます。

●サンプル店【和風居酒屋「帝串」 建物(スケルトン物件)の家賃:30万円  広さ:20坪】の場合

 

 

①物件取得費(開発費)・・・360万円

《算出方法・考え方》

物件取得費・開発費として、保証金に家賃10ヶ月分、礼金を1ヶ月分、仲介手数料を1ヶ月分、合計12ヶ月分計上しました。これは立地によっては保証金が大きく変わります。
その他、業者や状況によってはその他の料金(企画料等)、居抜の物件であれば造作譲渡料などが別途発生する場合もあります。
物件の内覧や不動産業者の説明時に詳しく話を聞き、不明な点は全て質問しておきましょう。

②店舗工事費・・・1,500万円

《算出方法・考え方》

一般的な「スケルトンの場合で坪単価50万円~100万円」を踏まえて、中間くらいの坪単価75万円で算出しています。
これもデザインや工事の内容によって大きく変動する為、店舗の内外装費、設備費、厨房費などについては、設計・施工会社や厨房機器メーカーから必ず見積りを取って下さい。
また、1社だけの見積りでは「見積りが高いのか、安いのか」の比較が出来ません。必ず数社から「相見積り」をもらいましょう。

③開業諸経費・・・200万円

《算出方法・考え方》

開業諸経費の内訳については、細かい物まで含めるとかなりの項目数になります。特に代表的なものとして、「調理器具・食器・備品費」「ユニフォーム費」「事務用品費」「消耗品費」「メニュー制作費」「広告宣伝費・販促物制作費」「開業前人件費」「開業前材料費」などが挙げられるでしょう。
居酒屋のコンセプトやスタイルによるので算出の基準は難しい所ですが、1坪あたり10万円×20坪で算出しています。
自分の居酒屋になにが必要なのかをリストアップしていき、その単品の価格を調べて行きましょう。

④運転資金・・・420万円

《算出方法・考え方》

前家賃30万円を3ヶ月分、人件費(仮で自分の給料30万円+バイト代15万円)を3ヶ月分、仕入費用(仮で65万円)を3ヶ月分で算出しています。
基本的には「開業して序盤、目標の売上に届かなくても数ヶ月は資金繰りできる」だけの運転資金があった方が良いでしょう。
尚、個人としてさらに「収支がトントンで自分の給料が出なくても、半年〜1年食べていける」だけの蓄えを備えておく方が安心できます。


 

これで、「和風居酒屋 帝串」の開業費用を出してみましょう。

①360万+②1,500万+③200万+④420万=2,480万

となりました。ふむふむ。結構な金額です。さらにこれを坪数で割ると、

2,470万円÷20=124万円

になります。おお、計算しておいて何ですが、結構高いですね。(笑)

私も意図的にそうしたのですが、重要なポイントの一つとして、

投資計画はなるべく多く見積もるようにしてください。

予算はまず、必ずと言っていいほどオーバーすると思っておいてもよいです。足りなくなってからでは遅いので。

それでは、皆様の開業する居酒屋は幾ら掛かるのか、しっかり項目を見据えて算出してみて下さい。