居酒屋開業の資金計画②売上計画
「実際にどれくらい売上が上がるだろう?」という観点である、②売上計画について説明していきたいと思います。
始まってもないものを100%正確に予測する事は当然不可能なのですが、あまりに杜撰な予測を立てて、結果売上が
計画通りに上がらないと開業したものの、経営難に陥る可能性大となります。
ここでは、根拠のある数値計算を行い、かつ、現実的で無理のない売上計画を立てていくことが重要です。
■まず、1日の売上を算出してみる
それでは実際にお店の売上の計算をしてみることにしましょう。
まず、1日の売上高の計算式はこのようになります。
(A)売上高=(B)坪数×(C)座系数×(D)満席率×(E)回転率×(F)客単価です。
(A)売上高・(B)坪数の説明は割愛しまして、
(C)の座係数とは「1坪当たりいくつ席を設ける事が出来るか」という数値になります。
飲食店の目安は1坪辺り1.3~1.5席です。席を詰める事のできる業態の場合は1.6〜1.8席位で計算してください。
(D)満席率とは「満席の時に全席数の内、何名分の席が埋まるか」を表す数値です。
テーブル席が多い店は低く、カウンター席が多い店は高くなる傾向がありますが、目安は60%〜70%(0.6〜0.7)位です。
(E)回転率とは「1日で全席数の何倍の客数が来店するか」を数値化したものです。(客数÷席数ですね)
客単価の安い店ほど高く、客単価の高い店ほど低くなる傾向がありますが、居酒屋は1.5〜1.8くらいが目安でしょう。
次にサンプル店舗の売上高を実際にこの計算式に当てはめて割り出してみます。
●サンプル店【和風居酒屋「帝串」・家賃:20万円・広さ:20坪・座係数1.5・満席率60%・回転数1.5回・客単価3,000円】の場合
計算式は、(B)坪数[20]×(C)座系数[1.5]×(D)満席率[0.6]×(E)回転率[1.5]×(F)客単価[3,000]ですので、
(A)の1日当りの売上高(日商)は、¥81,000円となります。
■月商と年商を算出
例えば、月30日中、25日営業するとしましょう。そうなると1月当りの月商は、
81,000×25=¥2,025,000となります。
年商はその12倍ですので、
2,025,000×12=¥24,300,000になります。
■その他のポイント
●更に綿密な売上予測をする際に、下記の3つの時期があることを加味して考えると良いでしょう。
①低調時期・・・天候不良などにより客足が伸び悩む恐れのある時期
②標準時期・・・平均的な売上が予測できる時期
③好調時期・・・給料日・祭日前などの好調な客足が期待できる時期
以上のように、自分のお店のコンセプトであれば、どれくらいの売上が見込めるかという売上計画を立てていきます。
最後になりますが、売上計画を立てるときは、極力根拠のある数値計算をもとに、現実的で無理のない計画を立てることが重要です。
では次回は、①投資計画②売上計画を参照にて、どれくらいの収支になるのかを考えてみましょう。